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レンタルスタジオ スペースオー/ 躯体の空

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所在地:      東京都北区
竣工:       2022年1月
用途:       スタジオ
構造:       鉄筋コンクリート構造
延面積:      25㎡
プロジェクト統括: OFA・オフィスフォーアーキテクツ
          ウサミキイチロウ
事業企画監修:   山下真一郎(ヒトカラメディア)
施工:       分離発注とDIY
電気工事:     エヌジェイ電気株式会社(東京都北区)
D I Y協力:     橋本光秀
          宮石悠平
          福島英人
          小坂大和
          山田匠 
撮影:       中山保寛写真事務所 中山保寛

■レンタルスタジオ スペースオー
東京都北区赤羽の駅近くにある業務縮小する家電販売店の空きスペースを設計者らの運営するレンタルスタジオへ改修するプロジェクトである。小規模プロジェクトではあるが、改修に先立ち、事業企画の観点から建物に関わる資金や資産の状態の整理し、周辺の類似スペースの市場調査により放映機能(スクリーン)があるレンタルスタジオが導きだされ、様々な用途(ギャラリー、ワークスペース、イベントスペース)を想定した。収支計画を作成し予算が決定、設計者らによる自主施工が始まった。  
  
■躯体の空     
既存店の整理や解体を行い、解体によって表出された建物の主要構造であるコンクリートの躯体がとても美しかったので、躯体を最大限に表出することを空間の主題と
した。本体建築物は建築士であった亡き私の父の設計と施工により建築した鉄筋コンクリート造であり、表出した躯体をみて親族にしかわからない彼の人間性を感じた。
美大出身の建築主はスペースオーを機会にアートでまちを活気づけたいという展望を語ってくださった。柱と梁,壁、天井の空間全体を覆う躯体が昨今の不安定な世界
を吹き飛ばす願いを込めて、この建築を「躯体の空」と名付けた。

■開放性と透明性
用途に合わせて内装壁のコンセント等の位置を修正、解体によって生じた仕上と躯体の隙間は新たにモルタルにて埋めた。内装壁の修正に伴い、壁は既存仕上の上にボードを増貼し、白の塗装とした。ダクトレールは、既製品を用いて最大限に長い範囲でスポットライトを設えることができるように計画し、最大限に表出された躯体とダクトレールにより、東南アジアの建築にみられるような開放的な空間、前面道路に向けて透明性のある空間を意図した。現代建築は機能性や使い勝手から建築の主要構造が隠れてしまうが、この空間ではそれが表出されて空間全体に対して未完成な印象を受けると思う。利用者がこの場を訪れて建築の仕組みや生産の過程、持続性等をおしゃべりする機会が生まれることを期待する。使用者が空間に愛着を持っていただけるようにスペースオーの運営をしていきたい。

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